2017年11月26日日曜日

고문사파 워크숍에 대한 노경희 선생님의 에세이 / 古文辞派ワークショップについての盧京姫先生の文章

8월의 워크숍과 그간의 한일 연구교류에 대해 강연자이신 노경희 선생님이 에세이를 작성하였습니다. / 8月のワークショップと、その際の韓日の研究交流について、講演者の盧京姫先生が、文章にまとめられています(韓国語のみ)。

盧京姫「21세기 한일 의고문학과 고문사문학 연구자의 만남(21世紀における韓国擬古文学及び日本古文辞文学の研究者たちの出会い)」(『문헌과해석(文献と解釈)』80号、2017年11月)。

Workshop Program
Report

2017年10月31日火曜日

御礼と今後の成果発信について

 3年間のプロジェクト(予算執行期間)が、2017年9月で終了いたしました。お世話になりました学会、大学、研究機関、図書館、先生方、学生、スタッフ、そして、研究集会にご参加いただきましたすべての方にあつく御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
 プロジェクト3年目となる今年度は、「連携」をキーワードにして活動してまいりました。国際日本文化研究センター、荻生徂徠研究会、無窮会、韓国の槿域文学会の皆さまをはじめ、多くの異なる研究領域の方と出会うことができました。素晴らしい体験でした。また、このプロジェクト開始時にセッションを設けさせていただいた和漢比較文学会海外例会において、締めくくりの行事を開催させていただきましたことも、感慨深いことでした。
 今後の成果発信ですが、今回得た知見やデータにつきまして、なおしばらくの間、このページで発信してまいります。共同研究の柱の一つである、日本漢詩における名詩形成については、データ集を掲載予定です。また、日本漢詩における通史の検討については、今回の一連の検討作業や研究集会で行われた報告や議論を内容とする論集を刊行する計画です。どうぞ、引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 期間中、以下のようなイベントを開催し(一部短報等を含む)、多くの方と議論をし、知見を共有することができました。ご支援、お導きに、あらためて深く感謝申し上げます。

1. 2014年11月29日 第1回検討会
2. 2014年12月 合山林太郎氏「永井荷風による館柳湾評価の背景-明治期漢詩人の江戸漢詩に対するまなざし」(『語文』103号)
3. 2015年1月10日 第2回研究会
4. 2015年2月23日 水田紀久先生インタビュー
5. 2015年3月 戸川芳郎先生インタビュー
6. 2015年3月15日 後藤昭雄先生インタビュー
7. 2015年3月 合山林太郎氏「日本漢文学についての新しい通史を描く―「日本漢文学プロジェクトの概要と背景―」(『書物学』第4巻、勉誠出版、2015年1月)
8. 2015年3月23日「第1回日本漢文学総合討論」
9. 2015年4月10日 国際ワークショップ「幕末漢詩文の“かたち”」
10. 2015年5月 合山林太郎氏「日本漢詩文とカノン」(『リポート笠間』58号、笠間書院)
11. 2016年8月4~5日 姜明官(カン・ミョングァン)先生・黄渭周(ファン・ウィジュ)先生へのインタビュー
12. 2015年8月28日~9月1日 和漢比較文学会海外特別例会講演・パネル発表
13. 2015年12月17日 二松学舎大学『近代日本の「知」の形成と漢学』テーブルスピーチ「日本漢文学プロジェクトの現状―見えてきた課題と今後の展望―」
14. 2016年1月9日 第3回研究会
15. 2016年1月13日 和習研究会
16. 2016年1月18日 和習研究会
17. 2016年1月20日 和習研究会
18. 2016年1月22日 徳田武先生インタビュー、特別講演会
19. 2016年1月25日 和習研究会
20. 2016年2月11日 王勇先生インタビュー
21. 2016年2月24日 和習研究会
22. 2016年7月28日 ワークショップ「『ケンブリッジ日本文学史』を読む―漢文学関連の章を中心に―」
23. 2016年7月30日 国文学研究資料館・第2回日本語の歴史的典籍国際研究集会 パネル「日本漢文学研究を“つなぐ”―通史的な分析・国際発信・社会連携―」
24. 2016年7月 「中国・西安で日本漢文学研究のグローバル化について考える―第8回和漢比較文学会海外特別例会発表についての報告―」(『雙松通訊』21号)
25. 2016年9月9日 第4回研究会
26. 2016年9月10日 第二回日本漢文学総合討論 「“漢文学”は東アジアにおいてどう語られてきたか? ―中国、韓国、そして日本―」
27. 2016年10月11日 和習研究会2016
28. 2016年11月19日 公開シンポジウム「文雅の記憶―幕末・明治期文人と時代・政治・地域文化―」
29. 2017年1月13日 揖斐高先生 特別講演会 
30. 2017年2月21日 和習研究会2017-楊昆鵬先生を囲んで-
31. 2017年3月10日 福井辰彦氏「【報告】公開シンポジウム 文雅の記憶―幕末・明治期文人と時代・政治・地域文化ー」(『上智大学国文学科紀要』34号)
32. 2017年3月18日(土) “Early Modern Japan Network(EMJN) annual meeting パネル“The Local and the Global in Early Modern Japanese Kanshi”
33. 2017年6月 山本嘉孝氏「上方文藝への招待(6)第二回日本漢文学総合討論「“漢文学”は東アジアにおいてどう語られてきたか?」報告」(『上方文藝研究』14号)
34. 2017年8月1・2日 合同研究会(国際日本文化研究センター共同研究「投企する古典性―視覚/大衆/現代」)「漢文学研究がつなぐ“世界”―古代/近代―」
35. 2017年8月4日 国際ワークショップ「東アジアの思想と文学+α:古文辞派を考える」
36. 2017年8月28日「生誕150周年夏目漱石学術サロン」(和漢比較文学会海外特別例会中のセッション)
37. 2017年9月24日 無窮会発表
38. 2017年10月1日 和漢比較文学会大会発表

2017年10月27日金曜日

『淀川両岸一覧』所載の漢詩の分析:淀川をめぐる名詩の形成

 新稲法子氏「漢詩で旅する淀川―『淀川両岸一覧』の漢詩」(『枚方市史年報』第19号、2017年3月 →枚方市のページ〈書影のみ〉)では、暁晴翁(鐘成)『淀川両岸一覧』(文久元年刊〈1861〉 →早稲田図書館蔵本)所載の漢詩について、詳細な分析を行い、本書所収の詩の選定に平塚飄斎が深く関わっていることについて(平塚雅樹氏「中島棕隠の晩年(二)」〈『太平詩文』68号、2016年1月〉に指摘あり)、新たな角度から論証しています。
 名所・名勝と漢詩、あるいは地誌と漢詩の関係は、文化史研究の上からもきわめて重要なテーマですが、本論文は、淀川におけるそうした名詩形成の過程を、『淀川両岸一覧』周辺の人間関係や漢詩の詩句の異同などをたどりながら、具体的に明らかにしたものです。

2017年10月26日木曜日

和漢比較文学会大会において発表いたしました(10/1)

 第36回(2017年度)和漢比較文学大会(大手前大学、2018年9月30日、10月1日)において、本共同研究の一部である日本漢詩における名詩の形成についての調査の成果として、「正岡子規が読んだ江戸漢詩詞華集―『才子必誦 崑山片玉』・『日本名家詩選』―」(合山林太郎)を発表いたしました。正岡子規の手になるとされる『随録詩集 第一編』(法政大学図書館蔵 →同大学正岡子規文庫デジタルアーカイブ)の収録詩の一部が、村尾元矩編『才子必誦 崑山片玉』(明治八年〈一八七五〉刊 →国会デジタルコレクション)及び首藤水晶『日本名家詩選』(安永四年〈1775〉刊 →早稲田・古典籍総合データベース)から抄出されたものであることを明らかにしたものです。
 『才子必誦 崑山片玉』『日本名家詩選』は、いずれも必ずしも格が高いとは言えない漢詩詞華集であり(いずれも書型は中本。発表後「今でも古書店でよく見るような本ということですね」というコメントをいただきましたが、その通りです)、これまでの日本漢詩文研究で注目されてはいませんでした。しかし、こうした片々たる詞華集が日本漢詩の名詩形成に大きな影響を与えていたことが推定される、ということが今回明らかになったと考えています。
 なお、会場でご指摘いただいた、『随録詩集』とはどのような性格のノートか、といった問題や、今回の指摘が子規研究にどのような意味があるかという点は、今後、検討すべき余地があると思います。多くの方からご質問、ご意見を賜りました。心より御礼申し上げます。

2017年9月25日月曜日

無窮会において報告を行いました(9/24)

 公益財団法人無窮会九月例会において、本研究の成果の一部(近世・近代日本漢詩における名詩形成の過程)を報告させていただきました(合山林太郎「教養としての日本漢詩―戦前までの伝統をふり返る―」)。明治期の漢詩詞華集と兪樾、あるいは中国の詩話との関係をどう捉えるか、また、現在の教科書に収録されている日本漢詩の選定には、教えやすさ(現代文や古典の作品と関連があると教えやすい。具体的に言えば、教科書に採られている鷗外や子規の漢詩文は、『舞姫』や『こころ』を教える際に関連づけしやすい。教科書に収録された日本漢詩はこちら)などの要素が関係しているのではないか、といったご意見をいただきました。多くの貴重なご教示を賜りました。心より御礼申し上げます。

2017年9月5日火曜日

「夏目漱石漢詩研修会」(中国・西北大学)を終了いたしました

 約35名の参加者があり、楊昆鵬氏の司会、黄昱氏、呂天雯氏、陳潮涯氏の3名の同時通訳により、中国語、日本語の両方で報告及び討論がなされた。冒頭、合山林太郎氏により、本検討用の資料についての説明があり、漱石の詩について、などの時期に分けられること、また、それぞれの時期を代表する詩として、以下の11首を選んだことが述べられた。

A 〔春興〕 1898(明治31)年3月(全集番号65)、32歳、熊本時代の作、五言古詩
B 菜花黃 1898(明治31)年3月(全集番号68)、32歳、熊本時代の作、五言古詩
C 〔無題〕1910(明治43)年9月20日作(全集番号78)、44歳、修善寺喀血後の作、五言絶句
D 〔無題〕1910年(明治43)9月22日作(全集番号79)、44歳、修善寺喀血後の作、五言絶句
E 〔無題〕1910年(明治43)10月1日作(全集番号82)、44歳、修善寺喀血後の作、五言絶句
F 〔無題〕1910年(明治43)10月3日(全集番号84)、44歳、修善寺喀血後の作、五言絶句
G 〔無題〕1910年(明治43)10月11日(全集番号90)、44歳、修善寺の大患後、長与病院に再入院したときの作、七言律詩
H 〔題自画〕 1914年(大正3)11月、(全集番号125)、48歳、中間期、七言絶句
I 〔題自畫〕1916年(大正5)春、(全集番号133)、50歳、中間期、七言絶句
J 〔無題〕1916年(大正5)9月4日(全集番号155)、50歳の作、明暗時代、七言律詩
K 〔無題〕1916年(大正5)11月20日(全集番号208)、50歳の作、明暗時代、七言律詩
 
 
次に、金中教授(西安交通大学)、陶成涛教授(西北大学、終南吟社)による中国語による朗誦及び品評が行われた。朗誦する詩として、金教授、陶教授ともに、 検討用資料掲載の詩の中から、 C,E,F,H,Kの詩を選ばれた。金中教授は漱石の絶句を、陶教授は律詩を高く評価した。
 この後、フロアも交えて討論を行った。漱石が晩年(『明暗』時代)、七言律詩(七律)を集中的に制作しているが、こうした作品群において、七律という形式が本当に効果的に用いられているか、その表現に冗長さがないか、という質問がなされた。これに対し、金教授及び陶教授より、七律の形式が完成するまでの中国古典詩史の流れ(七律は成熟した形式)や、七律の持つリズム感(流麗さ、五言詩を日本語の五・七調とするならば、七言詩は日本語の七・五調に近い)について考慮に入れるべきである、あるいは、絶句より構成的である律詩は、人生の思考や解脱を求める内面を表現するのに向いており、こうした点も漱石の関心を引いたのであろうとの応答がなされた。議論はこの後、日本人の漢詩の情緒表現、さらには漢詩における情緒表現とは何かといった面にまで発展した。
 また、検討対象となっている漱石の詩は、すべて作り手の心情を述べることに主眼を置いたものであるが、これは、漱石の特徴なのか、それとも明治漢詩文の特徴と考えるべきなのか、という質問があった。これに対し、合山氏より、基本的には漱石一人の特徴と考えるべきであり、明治期の専門漢詩人の作には、国家や社会について詠った詩が多く存在すると回答がなされた。
 このほか、今回、検討された詩には故事が含まれないものが多いが、そのことに何か意図があるのかといった指摘や(漱石の初期、晩年の詩には、『蒙求』の故事などが詠われるものもあるが、それらは今回検討対象には入っていない)、中国の無題詩の伝統の中で、漱石の詩を検討することの可能か(漱石の詩は題が付けられていないものが多く、それらは今日「無題」と呼ばれている)などの質問があった。
   
本研修会は、一昨年より開催してきた和習研究会(大阪東京)の集大成として企画されたものである。和習研究会では、日本人の漢詩が、文化や言語の環境を異にする中国において、どのように評価されるか、すなわち、日本という文化的な土壌を離れて、日本漢詩がいかに評価され得るかという問題をについて、近世・近代の日本漢詩の”和習”を手がかりとしながら考えてきた。
 今回の集会においては、中国語で詩を読む際の音韻の要素について理解を深めた。と同時に、詩の本質的な部分に関しては、中国と日本との間で同じであるとの感触も得た。金中教授の「極限すれば、詩作に素人と玄人の区別はなく、そこに表された感情の“濃度”によって決まるのだ」という言葉が、その本質をよく表しているように思われる。

 なお、本集会は、和漢比較文学海外特別例会中のセッションとして、西北大学外国語学院の協力を得て行われました。ご高配を賜りました相田満教授、高兵兵教授、関係の先生方、スタッフの皆様に感謝申し上げます。
 




  
→集会プログラム・ポスター