2017年5月1日月曜日

2017年度の体制

2017年度は、以下の体制でプロジェクトを進めてまいります。
(新たに楊昆鵬先生をメンバーにお迎えいたしました。また、一部の方の勤務先・職位などに変更があります。なお、所属は2017年4月現在のものです。)

浅見洋二  大阪大学・大学院文学研究科・教授 (副代表)
康盛国  ソウル神学大学(韓国)・日本語学科・助教授
金程宇  南京大学(中国)・域外漢籍研究所・教授
高兵兵  西北大学(中国)・文学院・教授
佐藤道生  慶應義塾大学・文学部・教授
住吉朋彦  慶應義塾大学・斯道文庫・教授
滝川幸司  京都女子大学・文学部・教授
中本大  立命館大学・文学部・教授
新稲法子  佛教大学・文学部・非常勤講師
仁木夏実 国立明石工業高等専門学校・准教授
ジュリアン・フォーリ(Julien  Faury) パリ第七大学(パリ・ディドロ大学・フランス)・文学部・非常勤講師
福井辰彦  上智大学・文学部・准教授
福島理子  帝塚山学院大学・リベラルアーツ学部・教授
マシュー・フレーリ(Matthew Fraleigh) ブランダイス大学(アメリカ)・准教授
堀川貴司  慶應義塾大学・斯道文庫・教授
町泉寿郎    二松学舎大学・文学部・教授
山本嘉孝  大阪大学・大学院文学研究科・専任講師
湯浅邦弘  大阪大学・大学院文学研究科・教授
楊昆鵬      武蔵野大学・文学部・准教授
鷲原知良  佛教大学・文学部・非常勤講師
合山林太郎  慶應義塾大学・文学部・准教授 (代表)

これらのコア・メンバー以外の方々にも、連携や協力をお願いすることがあるかと存じます。
お力添えのほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。

2017年4月30日日曜日

2016年度(昨年度)の活動終了のご報告と御礼

 2016年度の活動を無事終えることができました。研究集会、シンポジウム、ワークショップ、講演会などにおいて、多くのご意見をいただくことができました。心より感謝申し上げます。ご多忙の中、ご発表やご講演、コメンテーターをお引き受けいただきました先生方、本当にありがとうございました。また、様々なイベントにいらしていただきました方々と、関心や情報を共有することができたことも、たいへんうれしいことでした(新しい共同研究へと発展することを確信しております)。あつく御礼申し上げます。
 今年度は、プロジェクトの最終年度にあたります。成果物をまとめることに注力してまいりますが、その過程において、いくつかの研究の集いを現在企画しております(詳細は追ってご連絡申し上げます)。引き続き、オープンなかたちで議論を行ってゆきたいと思いますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。
 なお、本プロジェクトの最終成果物といたしましては、①日本漢詩の名詩形成についての資料・データ、②通史記述的なアプローチをとった場合の、日本漢詩文研究に関する問題点の分析(報告)、③論文集(雑誌形態)を予定しております。とくに③につきましては、これまでのシンポジウム、ワークショップなどでの報告の内容を集め、国内外、時代ごとの日本漢文学研究の最新の研究状況が俯瞰できるような内容にしたいと考えております。お力添えいただければ、ありがたく存じます。

2017年3月23日木曜日

「公開シンポジウム 文雅の記憶―幕末・明治期文人と時代・政治・地域文化ー」の報告(上智大学国文学科紀要)

福井辰彦「【報告】公開シンポジウム 文雅の記憶―幕末・明治期文人と時代・政治・地域文化ー」(『上智大学国文学科紀要』34号、2017年3月10日、pp89-101)に、標記シンポジウムの発表内容の要旨、討議の概要などがまとめられています。福井氏により、報告や議論の内容や背景について、敷衍がなされ、シンポジウムの研究史上の位置づけが明瞭に理解できるようになっています。

関連リンク →シンポジウム・プログラムレポート

2017年3月20日月曜日

Early Modern Japan Networkパネルを終了いたしました。

 約20名の参加者があり、Early Modern Japan Network代表のフィリップ・ブラウン教授により冒頭の挨拶がなされました。その後、パネル・オーガナイザーのマシュー・フレーリ氏より趣旨説明がなされ、続いて3名の報告、ディスカッサントによる問題提起、フロアとの議論が行われました。
 山本嘉孝氏は、祇園南海の「江南歌」を、和歌世界との関連なども視野に入れつつ分析しながら、合山林太郎氏は、近世後期の詩における、中国と日本とで意味が同じではない語(「萩」など)の用例などを取り上げつつ、マシュー・フレーリ氏は、中国風の地名の言い換えに関する、様々な近世文人の見解を取り上げながら、それぞれの観点から、近世日本漢詩におけるグローバルとローカルについて報告を行いました。
 グローバルとローカルという用語は、これまでの近世日本漢詩研究であまり用いられたことのない概念だと思います。報告者の間では、多くの場合、中国や東アジアの古典中国世界に存在するもの、あるいは、そこへの発信をグローバル、日本独自のもの、また、日本における知識の流通をローカルと捉え、議論がなされましたが、雅俗の”俗”をローカルとして捉える視点なども提示されました。また、総じてローカルを志向する近世漢詩の中にあっても、時期や学派により、程度の違いこそあれ、グローバルを意識しているという意見が多く提出されました。
 これに対して、ディスカッサントのリー・シャオロン先生より報告への意見が提示され、漢詩の読解において、日本の文化的コンテキストをはずして見ることの重要性や、漢土にない物の言い換えは中国の古典詩においても見られる現象であること(たとえば、清末の詩において西洋人がどう表現されたか)などについて指摘がなされました。中国古典詩の伝統のなかには、様々な表現のかたちがあり、漢詩について日本ローカルであるということを説得的に述べるためには、広く深い調査が必要である、という点について、大きな示唆をいただきました。
 フロアからは、日本における文字文化や明清詩論の移入との関わりなどの点から、多くの質問がなされ、活発な意見交換が行われました。なお、今回の報告・議論はすべて英語により行われています。

※概要は事務局がまとめたものであり、発言者の意図と齟齬がある可能性があることをお断りいたします。

関連リンク →パネル・プログラム


 



2017年3月12日日曜日

Early Modern Japan Networkにおいてパネル発表を行います

3月18日(土)、AAS (Association for Asian Studies) の年次総会と併設して行われるEarly Modern Japan Network 年次大会(カナダ・トロント)において、「近世日本漢詩におけるローカルとグローバル」というタイトルでパネル発表を行います。パネルの詳細は以下をご覧ください。
https://networks.h-net.org/node/20904/discussions/163652/2017-meeting-early-modern-japan-network-toronto-saturday-mar-18
https://networks.h-net.org/node/163652/pdf (PDF)

2017年2月24日金曜日

「和習研究会2017-楊昆鵬先生を囲んで-」を終了いたしました

 5名の参加者があり、漱石の詩(修善寺の大患の頃に作られた詩群)について、活発な議論が行われました。会では、漱石の一部の詩について、「表現が奇抜に過ぎるのではないか」「意図がやや分りづらい」といった意見が提出されました。漱石の漢詩は、日本文学研究の中で、ある意味、特権的な地位を与えられてきた印象があります。また、その注釈は、詩の読解を通して、漱石の意識や感情を探ることに集中していたように思います。しかし、日本の漢詩が多くの国の人々から研究対象とされている今日、作者に関する予備知識なしで、漱石の漢詩はどのように理解し得るのか、あるいは、どう評価され得るのか、といった問題についても考える必要があるように思われます。

2017年2月17日金曜日

「和習研究会2017-楊昆鵬先生を囲んで-」を開催いたします

昨年度から引き続き、和習研究会を開催いたします。

日時:2月21日(火)15:30~17:30
場所:武蔵野大学(武蔵野キャンパス)7号館3階7306演習室
    中央線三鷹駅からバス15分、西武新宿線田無駅から徒歩25分
    キャンパスマップ交通アクセス
テーマ:夏目漱石の漢詩

この会に参加されたい方は、以下までご連絡ください。
nihonkanbungaku@gmail.com  @を半角の@に変えてください。

2017年2月11日土曜日

韓国・槿域漢文学会 国際学術大会レポート

2017年2月10~11日、韓国・大田(テジョン)・忠南大学校において、槿域漢文学会(근역한문학회、クンヨックハンムンハクフェ)2017年春季国際学術大会が開催されました。

韓国には、中国学とは別に、漢文学研究(経史の学問を基礎として修得し、自国の漢文学を韓国独自の方法により研究する)の伝統があり、大学にも多く漢文学科が設置されています。槿域漢文学会は、こうした漢文学の学会の一つです。「槿域」とは韓半島を意味します。

今大会のテーマは、「韓国漢文学を眺める海外の視線(The Global Views of the Korean Literature in Classical Chinese)」というものであり、韓国の漢文学研究者に加え、中国、マレーシア、台湾、日本などの漢文学研究者が集まり、韓国漢文学研究をさらに発展させるための報告と議論がなされました。多くの発表において、中国語圏、英語圏、そして日本の研究に関して、最新の成果に言及されている点が印象的でした。

韓国の漢文学研究の動向を知ることは、日本の漢文学研究に対しても多くの示唆を与えます。具体的に言うならば、韓国の漢文学研究と比較することによって、日本の漢文学研究のあり方をより明瞭に理解することができます。

一つ例を挙げるならば、韓国漢文学研究において、散文(文)の分析が盛んであるのに対し、日本の漢文学研究は、詩が重視されているように考えられます。これは、戦後の日本において思想と文学とが異なる領域で研究されたこと(日本思想史と日本文学など)や、『中国詩人選集』などの中国古典詩に関する解説書が一般にもひろく読まれ、文学=詩というイメージが浸透したことの影響が大きいように思われますが、いずれにせよ、比較を通じて、自身の領域の研究の特徴・偏りについて認識を深めてゆくことが重要であると、あらためて感じました。

槿域漢文学会のページ (News欄に、大会概要・プログラム〈PDF〉があります)



基調講演を行う沈慶昊(シム・キョンホ、심경호)教授
 
※本プロジェクトの成果、及び、大阪大学大学院文学研究科共同研究の中で共同執筆された論文(下記リンク)を用いて、報告を行いました(合山林太郎「近世日本漢詩文研究から見た韓国漢文学の意義」)。
 

2017年1月14日土曜日

揖斐高先生特別講演会(1/13)を終了いたしました

約60名の参加者がありました。揖斐高先生は、頼山陽が、「勢」と「機」という概念を組み合わせて用いることによって、所与のものとしてある歴史の動きに、人間が主体的に関わる契機を見出したと論じられました。また、山陽による歴史記述が、イデオロギーや思想による歴史評価(いわゆる”歴史観”)とは異なる性質を持っていたこと、とくに、個々の人物が歴史の進行の中で見せる印象的な行動や発言(いわば歴史人物の”表情”とでも呼ぶべきもの)を捉えようとするものであったことを指摘されました。ご講演後、質疑応答が行われ、頼山陽の文学の評価をめぐって活発な議論がなされました。





関連リンク →特別講演会案内

※本報告は事務局がまとめております。ご講演の内容やニュアンスを正確に伝えていない可能性がある点を、あらかじめお断り申し上げます。

2017年1月12日木曜日

第2回日本漢文学総合討論に対する齋藤希史先生のコメント

昨年9月に開催されました第2回日本漢文学総合討論に、ディスカッサントとしてご出席いただきました齋藤希史先生より、以下のようなコメントをツイッター上にいただいております。
https://twitter.com/mareshi/status/775166406606192641
https://twitter.com/mareshi/status/775167693921976320
https://twitter.com/mareshi/status/775168395666857984
https://twitter.com/mareshi/status/775170571164233728
https://twitter.com/mareshi/status/775171453847166977

とくに、「「漢文学」をそれぞれの地域の「文学史」に包摂すればよいというものではなく,また、「東アジア文学史」として描き出せばよいというものでもない」というご指摘は(上から三番目のコメント)、多くの方が共感されるところではないかと思います。先生のご提示されている「圏域」と「規範」という考え方をはじめ、漢字文化をめぐる新たな思考の枠組みが必要であることを強く感じます。

関連リンク
→第2回日本漢文学総合討論 趣旨説明 レポート