2017年1月14日土曜日

揖斐高先生特別講演会(1/13)を終了いたしました

約60名の参加者がありました。揖斐高先生は、頼山陽が、「勢」と「機」という概念を組み合わせて用いることによって、所与のものとしてある歴史の動きに、人間が主体的に関わる契機を見出したと論じられました。また、山陽による歴史記述が、イデオロギーや思想による歴史評価(いわゆる”歴史観”)とは異なる性質を持っていたこと、とくに、個々の人物が歴史の進行の中で見せる印象的な行動や発言(いわば歴史人物の”表情”とでも呼ぶべきもの)を捉えようとするものであったことを指摘されました。ご講演後、質疑応答が行われ、頼山陽の文学の評価をめぐって活発な議論がなされました。





関連リンク →特別講演会案内

※本報告は事務局がまとめております。ご講演の内容やニュアンスを正確に伝えていない可能性がある点を、あらかじめお断り申し上げます。

2017年1月12日木曜日

第2回日本漢文学総合討論に対する齋藤希史先生のコメント

昨年9月に開催されました第2回日本漢文学総合討論に、ディスカッサントとしてご出席いただきました齋藤希史先生より、以下のようなコメントをツイッター上にいただいております。
https://twitter.com/mareshi/status/775166406606192641
https://twitter.com/mareshi/status/775167693921976320
https://twitter.com/mareshi/status/775168395666857984
https://twitter.com/mareshi/status/775170571164233728
https://twitter.com/mareshi/status/775171453847166977

とくに、「「漢文学」をそれぞれの地域の「文学史」に包摂すればよいというものではなく,また、「東アジア文学史」として描き出せばよいというものでもない」というご指摘は(上から三番目のコメント)、多くの方が共感されるところではないかと思います。先生のご提示されている「圏域」と「規範」という考え方をはじめ、漢字文化をめぐる新たな思考の枠組みが必要であることを強く感じます。

関連リンク
→第2回日本漢文学総合討論 趣旨説明 レポート