2015年4月9日木曜日

国際ワークショップ「幕末漢詩文の”かたち”」(4/10)趣旨説明

 今回のワークショップは“かたち”という言葉をタイトルにしています。たとえば、円筒形の物体が、ある角度から見ると丸(○)に、しかし、別の角度から見ると四角形(□)に見えるように、事物はどの視点から見るかによって、その形を変えます。

 幕末の漢詩文も、まさにそのようなものではないかと思うのです。この時期の詩文は、大衆化が進み、職業的漢詩人、志士、政治家、儒学者、書生など、様々な人がその担い手となっています。どのグループ、あるいは、どの人々に焦点を当てるかによって、幕末の漢詩文の“かたち”は大きく変わってくるはずです。

 また、幕末期は、詩や文において様々な形式、すなわち、別の意味での詩文の“かたち”が花開いた時期でもあります。漢文では、都市風俗などを記述する繁昌記や「論」「記」などの小品が、漢詩では、古詩から絶句までバラエティーに富む作品が作られました。こうした形式・形態の問題について、鳥瞰的な視点から全体を考えてゆく必要があります。

 このワークショップでは、最新の研究成果の報告を踏まえつつ、幕末維新期の漢詩文の全体像とその特徴をどのように捉えるべきか、参加者全員で議論してゆきます。それは、この共同研究が主要な活動内容の一つとしている、新しい日本漢文学史の検討の、最初の具体的な作業ともなるはずです。

当日会場・時間・プログラム
交通案内(前回シンポジウムと建物は同じです、ただし今回、部屋は4階461教室です)

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