新稲法子氏「漢詩で旅する淀川―『淀川両岸一覧』の漢詩」(『枚方市史年報』第19号、2017年3月 →枚方市のページ〈書影のみ〉)では、暁晴翁(鐘成)『淀川両岸一覧』(文久元年刊〈1861〉 →早稲田図書館蔵本)所載の漢詩について、詳細な分析を行い、本書所収の詩の選定に平塚飄斎が深く関わっていることについて(平塚雅樹氏「中島棕隠の晩年(二)」〈『太平詩文』68号、2016年1月〉に指摘あり)、新たな角度から論証しています。
名所・名勝と漢詩、あるいは地誌と漢詩の関係は、文化史研究の上からもきわめて重要なテーマですが、本論文は、淀川におけるそうした名詩形成の過程を、『淀川両岸一覧』周辺の人間関係や漢詩の詩句の異同などをたどりながら、具体的に明らかにしたものです。
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