約30名の参加者があり、金程宇教授、姜明官教授のご講演をうかがった後、大谷雅夫教授、齋藤希史教授よりコメントをいただき、意見交換を行いました。
金程宇教授は、大智禅師や森春濤など、古代から戦後までの様々な興味深い資料を取りあげながら、中国、韓半島、日本の間の文学・学術の交流について具体的にお話くださいました。姜明官教授は、16世紀以降の朝鮮漢文学と明代の詩論(とくに公安派)との関係について詳説され、あわせて「実学」などの例を挙げながら、朝鮮漢文学研究をめぐる近現代の概念形成について分析なさいました。
お二人のご報告を受け、大谷雅夫教授は、古代から近世までの日本漢詩の特徴的表現についてあらためてご確認されると同時に、和歌や物語なども視野に入れつつ、東アジア漢文学を考えて行くことの重要性、また、公安派の詩論(性霊説)が東アジア各国における意義についてご指摘なさいました。齋藤希史教授は、「圏域」と「軌範」という概念を用いながら、漢文学を世界的あるいは普遍的な文化現象の一つとして捉えてゆくためのモデルをお示しになりました。
議論を通じ、東アジアのそれぞれの国・地域の資料の情報や学術的関心を共有することによって、多くの研究上の発展や発見が期待できることを、あらためて強く意識いたしました。
→総合討論の趣旨・プログラム
(上の文章はプロジェクト事務局がまとめたものであり、正確さを欠く可能性がある点にご留意ください。)
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